人がお米やパン、肉や野菜を食べてエネルギーを作り、体を成長させるのと同じように、植物は「光合成」をして生長します。
良い野菜を育てるには、いかに活発に「光合成」を行えるかにかかっていると言えます。
植物の仕事は「光合成」と「呼吸」
植物が行っている主な仕事は、主に「光合成」と「呼吸」です。
「光合成」では、太陽の光と二酸化炭素、水を利用して「炭水化物(ブドウ糖)」を作ります。
炭水化物はカラダを作る材料に使われると同時に、呼吸するためのエネルギーとしても使われます。
「細胞」と「センイ」
野菜のカラダは「細胞」と「センイ」から出来ています。
細胞は、光合成で作られた炭水化物とチッソが結びていて作られるアミノ酸の集合体「タンパク質」です。
植物は、「細胞」だけでは生きられないし、地上に立つこともできません。
細胞を包む「細胞壁」が必要であり、表皮を覆う強いセンイが必要で、それを作るのは、炭水化物同士の結びつきです。
センイはセルロースが束になったようなもので、養水分の通路として機能するほか、カラダを支え、病害虫から身を守るという大きな役目もあります。
つまり、細胞を作るにしても、センイを作るにしても、野菜のカラダを作る基本材料になっているのが、「炭水化物」です。
植物にとっては、炭水化物をたくさん作ることが一番大切なこと。
有機栽培を成功させる上で、最初のキーワードはこの「炭水化物」であり、最大のポイントも「炭水化物」なのです。
炭水化物がたくさんあれば、カラダを大きくしたり、実をたくさんつけたり、硬い「センイ」を作ってカラダを守り、病気や害虫から身を守ることも出来るようになります。
また、炭水化物を余分にたくさん持っていたら、もし天気が悪い日が続いて光合成がうまく出来ない時でも、すぐに弱ってしまわずに、生育を保つことが出来るようになります。