アミノ酸肥料を直接与えるメリット
アミノ酸肥料は炭水化物をもったチッソ肥料
化成栽培で無機質肥料のチッソを与えた場合、硝酸を亜硝酸アンモニアに変え、そのアンモニアを光合成で作られた炭水化物と結合させてアミノ酸を合成する必要があります。
しかしBLOFの栽培では、アミノ酸を直接肥料として与えるため、その工程をショートカットできます。
BLOFの有機栽培で与える「アミノ酸肥料」は、炭水化物を持ったチッソ肥料であり、活動エネルギーをもったチッソ肥料なのです。
植物は無機の栄養しか吸収できないと考えられていた
19世紀の半ばに、ドイツのリービヒによって「無機栄養説」が唱えられて以降、あらゆる植物は、腐植のような有機物ではなく、無機態のチッソ (アンモニアや硝酸)やイオンしか吸収できないと考えられてきました。
19世紀後半には、ウォーリントンによって「たとえチッソ成分が堆肥のような形で与えられても、有機のチッソは土壌中で微生物により分解され、無機の硝酸になることで植物が吸収できる」ことを証明しました。
これによって、リービヒの学説を強力に補強した形となり、世界的に「植物は無機の養分しか吸収できない」と信じられるようになりました。
しかし2000年代に入ってようやく、多くの実験結果から、植物は有機のチッソ、つまり、アミノ酸も液体になれば吸収できるということがわかってきました。
2002年7月には、農業環境技術研究所が「作物の根、有機物を吸収/無機態チッソになる手前のタンパク様チッソという有機物を、作物が吸収している」ことを証明し、発表しています。
また、2018年3月には、東大と理研より、「太陽熱養生処理後の作物生育/有機態チッソが関与」と発表され、有機体チッソが植物に吸収されるだけでなく、植物の生育促進にも関与していることを証明しました。
しかし実はBLOFの栽培は、そのような公の発表よりはるか以前から、植物の根が無機のチッソではなく、有機のアミノ酸(炭水化物つきのチッソ)を吸収できることに着目し、栽培理論として組み込んでいます。
圧倒的な初期生育の良さ
根から無機のチッソではなくアミノ酸を直接吸うことが出来ると、作物は炭水化物を消費する量が少なくてすむ上、合成する際のエネルギーロスも少なくなります。
非常に効率のいいタンパク質合成と、細胞づくりができることになります。
作物が健康に育つには、良く光合成を行い、たくさんの炭水化物を作ること。
アミノ酸を利用すれば、根からも炭水化物を吸収出来るだけでなく、炭水化物の消費も抑えることが出来ます。
化学記号で見ると、よりわかりやすくなります。
チッソ(N)+炭水化物(CHO)=アミノ酸(CHON)
根から直接アミノ酸を吸収出来ることが、いかに効率が良いかがわかるでしょう。
BLOF理論で栽培する作物は圧倒的に初期生育が良くなるだけでなく、糖度や栄養価が、平均値を大きく超えてに高くなります。
最大のポイントは、いかに「炭水化物を余らせる生育にするか」なのです。